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形があった

薄化粧をしている山があった
山裾を 広く拡げた山があった
彼は 独立していた

自然にも 自己の知力にも頼らず
それはあった
形を整えているのである
これは 考える自己の死でもあった

自然をも 書物をも 知力をも自己から
放して
形となるのである

整った形は 神話である
それは 礼拝する姿である
自己の形への礼拝である
その不動なる形は 儀式である
不動となったのである

自己を不動とすること
それには貧相で いつも物事を
考えていたのでは 不動がやってこない

自己を形の上から整えてゆけ
形こそ自己である