トップページ > エッセイタイトル一覧へ > 前へ > 次へ >

救われる秘訣(5)

しかし、今述べた「知」の狂いと「感情」の狂いを先ず直さなければ、神話性も出てこないのである。

ここで言いたい事は、自然人間の形相、本当の人間としての形と相が整って出てこなければならないという、この重大な道、教えをしかと受け止めて、いつもニコニコ、いつもやわらかい、いつもやさしい、何があっても怒らない、その人に会うだけでこちらが鎮まってくるというようにならねばうそである。

説教や哲学書も必要ではない。 いくら瞑想をしても、いくら神様を拝んでも、今述べた二つの事を十分わきまえなければ、どこにいっても問題をおこす。 どこにいっても不足を言う。

 

この図式の元に自己という「我」があると、すべてがまともでなく頂上までゆかない。 それで合理的知性以外に非合理の知性を持たねばならないことと、感情の乱れを整えて透明で「我」のない、感情の乱れのない形相をつくらねばならない。

例えば、ケーキをつくる時でも先ず形を整えねばならない。 そして形が出来上がるとオーブンに入れる。 するとそのオーブンがそのケーキを仕上げてくれる。

そこで人は、形相が出来たらオーブンに入れる。 そのオーブンというのが宇宙の本質・真理である。 これを分母として形相を分子とする。 それが宇宙の方程式である。