トップページ > 詩タイトル一覧へ > 前へ > 次へ >

ワニの眼がいっぱいに

思考の世界と 透明な世界とがある
人は思考の世界でおり 透明な世界をわすれている
透明な世界は 記号の世界と 重なっている
この世のあらゆる現象は 記号である
中性子も 引力も 運動も 風も 空気も 時間も 人間も
人間の行為 言語もすべて 記号である
この宇宙が あること自体が 記号である
それを人は 記号として扱わず
思考の世界で 知的 感情的に すべてを扱っている
人はそれに気付き この宇宙のすべてを
記号として 扱えるようになると
知情意からくるなやみを とりのぞく事ができる
透明で 神話にみちた 笑いの世界が
そこにあることが わかってくる
ワニの眼から 僕は生まれたといえるような
心の世界が わかってくる
子供の眼には この世のすべては 「記号」としてうつるのである
何がどうあらねばならぬ というような世界は
子供の中には ないのである
笑い 笑い 笑いだけがある世界だ
ワニの眼が一杯に ひろがってくる